企業の利便性を高めるとともに、行政機関自らの文書管理業務の改善にも役立てることが期待される。また、今後は地方自治体との連携も積極的に行うことが必要となるであろう。
6−1−2 推進体制
これまでも述べてきたように、CALS的アプローチを進めるためには、データの標準化、ルールの策定、システムの統合などが必要となり、これらを取り決めるためには統一的な推進体制の整備が必要となると考えられる。この体制は中央省庁をはじめとして地方自治体も積極的に参加した幅広い取り組みとなることが望ましい。
CALS的アプローチを推進するためには、政府として統一的に情報化を進めるための組織づくり、すなわちタスクフォースの設立が必要となると考えられる。このタスクフォースは政府全体の情報化の方向性と具体的な実施案を策定し、計画の開始から終了まで責任を持って進めていく決定権を持つ組織である。メンバーとしては、各省庁の要望を取り入れるため、それぞれの省庁から数名選出し、その他学識経験者や民間企業からも選出することも有効であると考えられる。
タスクフォースでの検討事項は以下のようなことが考えられる。
・各省庁の現状と要望に関する情報提供
・政府としての進め方の基本方針の取り決め
・実施スケジュールの決定
・文書管理に関するルールの決定
・採用する標準技術の選定(SGML、STEPなど)
・データベースの仕様、ネットワークのルールなどの決定
・文書フォーマット規格の設定
・実施状況のチェックと遅延の把握
・問題の抽出とアドバイス
また、地方自治体も積極的に推進活動に参加し、行政機関全体で共通した認識になるよう、協力していくことが望まれる。
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